環境教育の指導者育成カリキュラム② 「チェンソーワーク(ベンチづくり)」
林業の実習が多い我がアカデミーにいると、ついつい忘れがちですが、チェンソーは木を伐るだけの道具と思いがちですが。。。。実はいろんなことができる便利な道具なんですよね。そんなことを、改めて学生に体感してもらう授業がアカデミーの環境教育指導者育成のためのカリキュラムとして今年からスタートしました。
実際に環境教育の現場では、トレイル沿いやビジターセンター周りの備品、そして遊具や展示台、看板などをスタッフ自らが手づくりしたり、山と人、林業と人、木と人をつなげるための「チェンソーアートやチェンソーDIY」なんてプログラムを提供したりするケースが多くあります。そうした意味でもこの実習は将来きっと、いや必ずや役に立つはずです。環境教育の指導者にとって大切な、ソフトづくりにつながる経験&自らの現場作りにつながる経験として実は重要な実習なんです。
今回も前回のチェンソー製材に引続き、なんでもできちゃう!?伊佐治先生にお願いして(じつは2日続きです)、丸太からチェンソー一本でベンチをつくる実習をしていただきました。前回は製材器がありましたが、今回は板面をつくるのもチェンソー一本でやります。
丸太の小口に平面を出してからその線に沿ってチェンソーで丸太を半割りにして、座面となる面をチェンソーでならします。先生がやるのを見るのと実際に自分がやるのとでは大違い。平らに切って座面をつくる作業はとても難しく学生たちはかなり苦労してました。その後も「割る」「切る」「削る」「くり抜く」「面とり」など様々な作業を体験します。最後に、ログハウスの組み方と同様に、スクライバーを使って座面となる材と足となる材を削って組んでいきます。
「チェンソーっていろんなことできるんですね〜。楽しくなっちゃう」
「苦労して足を組んでいく時に、丸太が一本ずつ形が異なることに改めて気づきました」
なんてコメントも。
そうなんです、「つくる」プロセスでは、本当にいろんなことを気づくことができます。だから作るだけではなく、ゆっくりとそのプロセスを体感してもらいたいんです。そしてこの日の(初めて体験した時の)感覚が、お客さん(参加者)の気持ちであるということも同時に体感してもらいたかったのでした。ものすごい集中力で作業して、あっという間に暗くなってしまいましたが、なんとかひとり一脚ベンチの完成!
そんなベンチづくりの実習現場の傍らで、実は私ナバも大量の丸太のイスをチェンソーで作っていると(育樹祭会場の森のようちえんのテントの中で使うイス)早めに作業が終わった学生たちが手伝ってくれて、あっという間に20脚の「森の丸太イス」が完成!翌日900人が来たイベントで、子どもたちの座るイスとして使われていました。というわけで、さっそく環境教育の現場づくりに参加することのできた学生たちでありました。。(下の写真が、翌日のイベントのテント内のイスの様子。イベント当日の模様は、以下リンクにてどうぞ)
なんちゃってせんせい 萩原ナバ裕作 報告